酷い出会い。
愛知県に入った時のお話。
その日もまた車から声をかけられた。
「お兄ちゃん歩き旅か!?車乗ってけよ!」
その人はトラックの運転手で、かなり威勢のいいおっちゃんだった。
「観光に連れてってやるよ!」
とおっちゃんは名古屋の市街地を周ってくれ
単純にいい人だなー、とその時は思ってた。
そしてちょうど昼御飯時に
「腹減ってきたなあ!おごってやるからラーメンでも食いにいくか!」
「本当ですか!?ありがとうございます!」
そしてラーメン屋に移動する。
到着するなり、おっちゃんが急にこんな事を言いだした。
「あ!俺今日財布忘れてきたわ!」
「あ、そうなんですか?じゃまた次の機会ってことで」
「いや、あのさこれも次会うか分からない出会いやん?」
「はあ…」
「ちゃんと返すから金貨してくれんか?」
は?
一瞬考えたけどやっぱりそれはおかしい。。。
「あの僕旅してる身なんでさすがに人にお金を貸すのは無理です」
「いやだから返すっていっとるやん?」
「いや、ちょっと無理です」
「はああ?信用できんの?返すっていいよるのに!」
そう言っておっちゃんは車を出しだした。
かなり怖くなってきたので
「あの、もうここでいいので降ろしてもらえますか!?」
おっちゃんは納得いかない様子だったのだけどつまらなそうな顔して降ろしてくれた。
「ちょっとタバコが切れてイライラするからタバコ代だけ貸してくれん?」
どこまで厚かましいんだと思ったけど、勉強代だと思って500円だけ渡した。
その後は何事もなく去っていったんだけど、後味の悪さが半端なかった。
出会う人も良い人ばかりじゃない。
その日はそれを身にしみて経験することになった