出会いから出会いへ
奈良県に着くと同時に地元福岡で出会った「志津さん」という方から連絡がきた。
この方は佐賀在住の方で交流会で一度しかあったことのない方だったけどfacebookで僕が旅に出たことを知ってなにかと気にかけてくれていた人だった。
「奈良県にいるなら斑鳩(いかるが)町ってところに私の知り合いがいるから!顔を出しに行ってみて!!」
この旅で人から人を紹介されたのは初めてだったしどんな人なのか興味もあったのでルートとは随分離れていたけど会いに行くことにした。
どうやらブティックのお店を経営されている方らしく経営者の人に旅をどんな風に思われるか少なからず興味があった。
お店に着いて。
「こんにちは~佐賀の志津さんから紹介された白石っていいます」
「ん?ああそういえば来るって言ってたね!いらっしゃい!」
くるみさんというその方は大阪の出身の方でまさに「大阪のおばちゃん」というフレーズがそのまま当てはまる人でその威勢のよさと芯のぶれなさと感性の鋭さももったような方だった。
話をしていてもその引き出しの多さと、相手に合わせて会話をするその様はすごいなあと感じるばかりだった。
後にも先にもこのくるみさん以上の『聞き上手』な人とは出会わなかった気がする。
そう感じるのは、普通人と会話していると話し始めが被る時があるけども
くるみさんは絶対に自分から先に話し始めない。
そのことをその後再会したときに本人に言ったら
「相手が嫌だなと思うことはしないっていうのは当然のことやろ?」
と返された。
事業を成功させてる経営者ってやっぱり凄いんだなあと考えだしたそんな出会いだった。
お店に伺ったその日は晩御飯をごちそうになってなんとお店にも泊めてくれた。
パワフルでユーモアも感じるそんな一日になった。
くるみさんありがとうございました!
奈良県へ
奈良県へとやってきた。
奈良県には中学の修学旅行以来で、大仏を見た記憶しかないのでもちろん新鮮だった。
奈良県に入ったと同時に旅人と出会った。
「日本を走って一周している」モリさん!!
走ってって(笑)
この方、世帯持ちにもかかわらず旅をされていたんでだけど、でも計画性が凄かった。
各県の観光協会や市役所などに出向き「旅でビジネスを興す為」に全国行脚していたのだ。
モリさんのfacebookを見ていると何度も新聞に取り上げられ、ローカルのラジオにも何度か出演していたようで、ほんとに凄かった。
「白石さん!僕はあなたのような頑張ってる若者も応援したいんです!私もこの旅が終わるまでにビジネスモデルを確立して起業すつつもりです!」
「おお!すごい!そうなったら是非教えてください!」
すごくパワフルな人だなあと、この時は思っていた。
そして、自分の中にある「起業」というワードが選択肢として徐々に入ってきたことを感じた出会いだった。
左にある20Lほどのザックで旅をされていたけど、あまりに荷物が少ない(笑)
野宿は寝袋、テントなしというかなりストイックな旅をされていたw
捻挫
大阪を歩いている時に右足を痛めました。
普段からそんなに歩いてなかったのに体に鞭を打って歩いていたのがついに顕著になってきたようだ。
痛い。。。。
痛すぎる。。。。
歩くた度に右足にくる強烈な痛み。
本当に足を引きずりながら歩いてました。
まさかこんな所で終わるのか?
嫌だ!
嫌だ!
嫌だ!
そうなるとどうにかしてでも歩かないといけないのでテーピング、コールドスプレー、サポーターと思いつく限りの対策を講じる。
そのかいあってかサポーターをつけたままではあるけど、痛みを和らげることができた。
歩いたあとのケアも大切なんだな。。。
身体が資本であることを改めてそこで確認することになった。
使徒襲来
その日は岡山と兵庫県の県境まで来た。
もう大分遠い所まで来たなぁ。
しかしこんな所まで歩けるもんだな…。
でも今日の寝床はまだ決まってないんだよな。
しばらく国道を歩くと、少し小高い丘の上に公園らしきものを発見。
今日はここにテント貼りますか!
辺りが薄暗くなったのを見計らってテントを貼る。この公園、住宅地が近くこじんまりした敷地で、殆ど周りに人気もなかった。
その日はかなり距離を歩いたのもあって寝に落ちるのは早かった。
そして深夜2時頃だろうか。
声が聞こえる…。
それも数人、話しの感じからして高校生くらいだろうか。
こっちに気づかないでくれ!
こっちに気づかないでくれ!
こっちに気づかないでくれ!
こっちに気づかないでくれ!
「あれ?あそこになんかあるくね?」
ま じ か 。
「うわ!wみろよ!テントあんぜ!?ww」
「マジやん!ww人入ってんのこれ?ww」
「キモ!wwマジかよww」
うっせーよ!ほっといてくれよ!!どっか行ってくれ!!
「な、これ蹴ってみねぇ?」
「!!!!!!」
バキッ!!!
「いてぇ!!!」
ダダダダダダダダダダッ
逃げてった…。
幸いテントの空間がクッションになって怪我はなかったけど
もしあのまま襲われたりしたら……
そう思うと恐ろしくてもう眠れなかった。
テントを片付け、夜が明けるまで公園の隅で縮こまっていた。
辺りが明るくなってまた歩きだしたが
旅は良い事ばかりではないんだな。。。
そう痛感せざるを得ない出来事だった。
岡山県で出会った子供達
夕方コンビニの前で休憩してると、3人のチビッ子が近付いてきた。
「なぁ、おにいちゃん旅人なん?」
「そうやねぇ福岡から歩いてきとるよー」
「マジで旅人なん!?すげー!!そうかなー?って思いよったんじゃ!!」
「あたしが最初に見つけたんよー!!」
「だから言ったやん!やっぱ旅人じゃ!」
小学校高学年の男の子二人と、低学年の女の子の3人だった。
「どこに泊まりよんの!?」
「公園とかにテント張ったりしとるよー」
「すげー!!テント張れるん!?じゃ今日は家の近くの公園に住めばええじゃん!!」
「良い公園があるなら助かるなぁ~」
と、このあとも僕は「お化けは恐くないか」「お母さんに会いたくないか」「福岡出身の担任の先生は知ってるか」など、聖徳太子かってくらい質問攻めを受けながら公園へと案内してもらった。
「俺なぁ~大きくなったらお兄ちゃんみたいに旅に出るつもりなんじゃ~」
「おお~いいじゃん、出てみなよ。楽しいよ~」
まぁホントに旅に出るかはわからないにしても、この子らが大きくなったときに僕がどんな風に思い出として残るのかちょっとだけ気になった。
そして公園のど真ん中でテントを張って見せた後、一緒にサッカーしてたら暗くなったので子供たちは帰ることに。
「じゃあまた岡山に来て遊んでな!約束じゃけんな!!」
「うん、約束する!もう遅いからお母さん心配しとるよ!早く帰りー。」
「うん!バイバイお兄ちゃん!!」
「バイバイ~」
結果的に住宅地の真ん中にあった公園だったのでそこでは野宿出来なかったんだけど、子供たちの純粋な優しさと好奇心にスゴく懐かしさを感じた。
俺もあんな感じだったのに、いつのまに大人になったんだろ?
でも大人になるってどういうことだ?
子供心を忘れること?
なんか色々と思い出したことも多いけど、不思議に思うことも沢山出てきた。
特に目的もなく旅に出てきたけど、だんだんとモヤモヤしてたものが形になってきてるような気がする。
自分の信念
おじさんと別れた後僕はどうしたかと言うと
実は全部無視した(笑)
太平洋側を北上するのは絶対に曲げず、特にアルバイトもしなかった。
北海道に着いてやっぱり俺が正しかった!と、もう会う筈もないそのおじさんに言ってやりたかったから。
よし!!よし!!よし!!県を越えた!!
途中で買った地図を見返すと山口県だけで10日かけて歩いていた。
と、10日か……。これがあと最低でも46残ってるわけか…。
あんまり先のことを考えると目眩がするので辞めた。
とにかく広島県についてから1番最初にお目見えしたのが
「世界遺産・厳島神社」
そもそも広島にこの神社があることも知らなかったし、日本三景って言葉も知らなかった。
今までテレビや新聞なんかで見たり聞いたりしたことある物を自分の目で見れるんだな旅って…。
そう思うとこれから何が見れるのかまた楽しくなって来た。
日本三景か…よし!日本三景全部見たる!!